昌平黌入学式/「こころの復興が忘れ去られていないか」

150405東日本国際

午前中、学校法人昌平黌(しょうへいこう)の東日本国際大学、いわき短期大学、東日本国際大学附属昌平中学・高等学校の合同入学式に参加しました。

1966年にいわき短期大学を開学してから今に至る学校法人ですが、短大では幼児教育科・幼児教育科専攻科福祉専攻から幼稚園・保育所など、大学では福祉環境学部・経済情報学部から行政の各部署、民間福祉関係・企業などへ人材を輩出しています。

150405東日本附属中高

今年度から大学長はエジプト考古学者の吉村作治さんが就任しました。学長式辞で吉村さんは、新入生に対し、「卒業がほんとうのおめでとうで、きょうのおめでとうは半分」と言いつつ、「きょうはあ行だけ」と「愛校心、意欲、運、縁、恩」の大切さを語りました。わ行まで全部聞きたくなる話でした。

150405市役所桜

式辞の前の理事長告辞で、「目に見えるモノの復興の一方で、人間の心の復興や精神面での復興が忘れ去られてはいないか。私たちは心の復興を、人間力の育成を通して成し遂げたい」と言った趣旨の話をされました。

私が今年度県予算案に反対討論した根拠を裏づけてくれるような話で、「そうだよなぁ」と思いながら聞きました。

150405各紙

家にもどってからは、届いている各新聞・雑誌に目を通しました。戦争立法、消費税増税から1年、介護報酬削減と、とにかく安倍暴走政権への地方からの審判をきっぱりくだす思いがつのります。

貧困の中の子ども/食と農でつなぐ

150405食農・貧困

佐賀県への往復があったので、『貧困の中の子ども』(下野新聞 子どもの希望取材班著、ポプラ新書)と、『食と農でつなぐ 福島から』(塩谷弘康・岩崎由美子著、岩波新書)を読みました。

後者は昨年8月、前者は先月発行で、それぞれ書店に並んだ時に購入して冒頭だけ読み始めたままになっていて、けっきょく、議会が終わって読書タイムがとれるようになった、というわけです。

「貧困」は、栃木県の地方紙である新聞社記者が、県内の宇都宮市・日光市・小山市はじめ、県内での取材だけでなく、東京都荒川区・足立区、イギリスにも足をのばし、昨年(2014年)1月から6月にかけて下野新聞に掲載した60回の連載がベースです。

私はこれを読んで、「見えない問題」を「見える問題」にして社会的・政治的に具体的解決の方向を探るジャーナリズムの本質を見た気がします。「真実の報道」「権力監視」の神髄ではないでしょうか。

「食と農」は、原発震災前後の阿武隈地域の女性農業者の「たたかい」を、とくに震災後に焦点を当てた物語、として読ませていただきました。

オビには漫画家の山本おさむさんが、「原発事故は大きく、人間はあまりに小さい。しかし小さなものの中にこそ希望がある」と書いているのですが、福島大学の研究者であるお2人のフィールドワークのこの書が、女性農業者へ震災のずっと前から寄り添う取材を通してまったくその通りだと、私は感じます。