志位委員長のアメリカ訪問

『アメリカを訪問して』(志位和夫著、新日本出版社)を読みました。

日本共産党委員長が、8人の日本共産党代表団の団長として、今年4月30日から5月8日まで訪米した記録です。

だいたい、1980年代までは「コミュニスト」というだけで入国が難しかったアメリカですから、共産党の党首が訪米すること自体、アメリカの変化を感じます。

今回の訪米の目的は、核不拡散条約(NPT)再検討会議に出席し、被爆国・日本国民悲願の核兵器廃絶を国際政治に訴えることと、「基地のない沖縄」「対等・平等・友好の日米関係」を求める沖縄県民、日本国民の願いをアメリカに伝えることでした。

この二つの仕事をできたことがリアルに伝わる報告です。

もちろん、日米安保条約や基地問題で、アメリカと日本共産党との立場や考えが対立していることは明らかですが、アメリカ側から「意見交換は有益であり、民主主義の基本。これからも続けましょう」と提起されたことは重要です。

それにしても、アメリカの共和党議員との懇談で、志位委員長が、「あなたがた共和党の創始者はリンカーンだ、私たち共産主義の創始者はマルクスだ、二人には交流があった」という話をしたことや、「共和党」と「共産党」を漢字で書くと真ん中の文字を除いて同じだ、の話に「それでは三分の二まで同じか」のやりとりは、愉快です。

表現の自由/政治の中身/マスコミの存在意義

参院選が公示されると、とたんに表現の自由が制限されます。

私の宣伝カーからは音は出せなくなるし、候補者である「日本共産党」も「いわぶち友」も自由には出せなくなります。「自由民主党」がこうしたべからず選挙のしくみをつくりました。

今まで毎週月曜の朝に宣伝していたわが家の近くの交差点で、共産党の名前が入っていない政策を書いたのぼり旗とポスターを手にして通勤されるみなさんにごあいさつしました。

手を振っていってくれるかた、クラクションを鳴らしていただくかた、声をかけていただくかた、ほんとうにありがとうございます。

きょうは一日、小名浜地域の後援会員といっょに、ご自身が住む団地と育った永崎地域のお知り会い宅を100軒弱訪問しました。

民主党政権に対する失望と、自民党にもどる気はないという声は、マスコミが政策抜きにあいかわらず「民主か自民か」みたいに世論調査を報道する結果とはかなり乖離している実感です。

政治の中身抜きの選挙結果を演出する大手マスコミの存在意義が問われる時代ではないでしょうか。大企業と政府による広告料に依存するマスコミが果たして権力監視・社会の木鐸の役割を果たしうるのでしょうか。根本的疑問です。

憲法がめざす幸せの条件

『憲法がめざす幸せの条件』(日野秀逸著、新日本出版社)を読みました。

著者の専門である経済学や社会保障の視点から、「平和と健康は幸福の条件」というテーマで、憲法9条と25条と13条にかかわる課題を提起しています。

私たちは、幸福に暮らしたい、とごく自然に願うし、幸福に暮らしたいというとき、平和のもとでの幸福、そして健康で文化的な内容の幸福を追求したいと思います。経済的・金銭的損得勘定に基づく暮らしの幸福を望む、ということはあまりないと思います。

「平和に生きる」ことにかかわる憲法9条、「幸福に生きる」ことにかかわる憲法13条、「健康で文化的に暮らす」ことにかかわる憲法25条は、こうして、ごく普通に生きる人間のためのものであることがわかります。

また健康は、「自然を変え、社会を変え、自分自身を変え、そして人生を楽しむという四つの人間独自の活動ができるような身体的、精神的な、あるいは社会的な状態」ととらえます。

そして私たち一人ひとりが「自覚と協同の力に依拠して広くくらしをつくり変え、地域をつくり変え、さらには政治をつくり変えていく」ことを健康づくりの内容と提起します。

法定ビラ/汗/訪問

法定ビラ第1号をご近所に配布しました。1時間かけて230軒ほどに配るのですが、きょうは雨が降りそうな気配できわめて蒸し暑いなか。外に出ている人はほとんどなかったのですが、期せずしてお二人から「よろしくお願いしますよ」と。

家にもどると汗びっしょりで、全部着替え。

午後は小名浜地域で労働組合活動をしている後援会員のお知り合いを訪問。訪問先の近所の私の知り合い宅も含め、40軒あまり。私への叱咤激励も多い訪問でした。

関心の高さ/総代会/撮影

選挙区候補者はきょうの午前中までいわき市内。

朝8時、いわき駅前通りと国道との交差点近くから始まって、4か所の街頭から訴えました。街頭宣伝の進行役は高橋あき子市議。

通っていく車から手を振っていってくれる姿が多いことは、やはり関心の高さを感じます。四倉(よつくら)では宣伝カーの到着を待っていてくれた10数人に加え、ご近所のみなさんが出てきてくれました。

久之浜(ひさのはま)駅前がきょうの市内最後。市議と候補者は私が話している間、近くで聞いてくれている人たちにごあいさつです。

午後は医療生協の総代会に参加。私は議案提案者の理事の一人でもあります。

参院選公示直後でもあり、「社会保障のために消費税増税」が争点として急浮上していることもあり、消費税導入後の社会保障後退の歴史を数字で裏付け、「社会保障のため」がまったくの虚構で、現実には大企業減税の穴埋めでしかない消費税の使われ方の実態を告発、ため込みすぎの大企業内部留保の社会への還元こそ政治がしなければならない仕事でしょう、と発言しました。

総代会後は写真スタジオへ行き、支援者のみなさんにきびしくチェックされながらの写真撮影。「中途半端な笑顔は表情がつまらない」「もっと自然体で」「もっと笑えないの」とたいへんでした。プロの写真家はどちらかといえば私寄りなのですが、支援者が納得せず、注文が多すぎます。

候補者と終日行動/公約破りの連続/十分な財源

いわき入りしたいわぶち友選挙区候補と終日行動しました。

午前中は勿来(なこそ)地域の3か所、午後は泉・小名浜地域の6か所の街頭から訴えました。

伊藤ひろゆき市議が街頭演説での進行役でした。

どこの場所でも立ち止まって聞いてくれる人、家の中の窓際で聞いてくれる人、宣伝カーの近くまで出てきて聞いてくれる人がいて、関心の高さがうかがわれます。

とくに、消費税増税は大問題で、「やめてくれ」「生活できない」「共産党しか頼れない」の声は切実です。「消費税ノー」の願いはこぞって日本共産党に託してください。

夕刻は演説会。私も、公約破りを続けて国民の怒りに包囲されて鳩山内閣が退陣したのに、菅内閣になってまた「消費税は増税しない」の公約をさっそく破り、財界しか言っていない消費税増税と法人税減税をセットでしようとする姿勢を告発しました。

年間5兆円に及ぶ軍事費と、大企業・大資産家に大盤振る舞いしてきた減税策にメスを入れ、大企業によるため込みすぎの内部留保を社会に還元させるルールをつくれば、十分な財源が確保できます。

実際の法人税負担率/根拠がない主張/演説会

参議院選挙が公示されました。昨年の政権交代後、初の国政選挙です。

きょうの「しんぶん赤旗」1面に、日本のトップ企業で経常利益の上位100社の実際の法人税負担率が掲載されています。2003~09年度決算データからの試算です。

日本経団連の会長企業・住友化学は16.6%、鳩山前首相が大量の株式を保有していたブリジストンは21.3%、トヨタ自動車は30.1%などで、100社平均は33.7%。

日本経団連が現在40パーセントの法人実効税率が高すぎるから減税を、との主張に根拠がないことは明らかです。

ちなみに『日本税制の総点検』(北野弘久・谷山治雄編著、勁草書房、08年10月刊)では大企業の実際の実効税率が低くなる要因を示してくれています(151㌻)。「試験研究費税額控除」「外国税額控除」「受取配当益金負参入」などです。

きょうの小川地域での演説会では、こうした資料も使いながら消費税増税の不当性を訴えました。

なお、今は、所得金額が800万円以下の中小企業の税率は軽減されていますが、日本共産党は、現行の法人税の画一的な比例税率(30%)そのものが不公平で、「法人税に累進性を導入し、一定範囲内の所得については現行より税率を引き下げる」ことを求めています。

公示前最終日/普段より多い激励/街宣/井戸端

参院選公示前の最終日のきょうは、朝から午前中いっぱいは雨模様。

福島高専近くの街道沿いでの朝の定時定点街宣では、通勤されるみなさんから手を振っていただく激励が普段より多かったのは、きのうの9党党首討論報道の影響でしょうか?

午前中は内郷での行動。公示前日だけに、本番ポスター準備、ポスター張り替え、訪問、宣伝、それにみんなの昼食の準備と、仕事は盛りだくさん。

私は宣伝カーを運転してもらって5か所の街頭から訴え。雨の中、家から出てきて手を振っていただくかた、車からの声援には励まされます。

午後は私が住む郷ヶ丘の後援会員2人と街頭6か所から宣伝。話し始めると勝手口の戸を開けて手を振っていただくかた、そしてやはり車から手を振っていただくかた、事業所の窓を開けて聞いていただくかた、ちょうど下校の小学生たちは「応援します!」と大はしゃぎの応援。

宣伝後は、私のご近所230軒あまりに「消費税10%増税許しません」の「しんぶん赤旗」6・7月号外と、7月1日の地元での演説会の案内チラシを配布しました。

途中、お会いすると井戸端会議になるかたたちとまた会議の開催となりました。

「話を聞けてよかった」/「増税やめさせて」/お茶

参院選公示前の最後の小名浜での定時定点街宣。

いったん家にもどる途中、信号待ちをしていると、石屋さんと葬祭場しか見えない景色のなかに「ラーメン」の真っ赤なのぼり旗。いったいどこにラーメン屋さんが?

きょうは小名浜地域の後援会員の宣伝カー運転で、6か所の街頭から訴え。かなり狭い場所にも入り込みました。

家から音の出る場所まで(要するに宣伝カーの前まで)出てきてくれて、「最近の政治のことが分からなくて、どうしたらいいか困っていた。話を聞かせてもらってよかった。かんばってほしい」と言ってくださるかた。

自宅で庭に出て聞いてくれ、「消費税増税なんてとんでもない。共産党にほんとうにがんばってやめさせてほしい」と声をかけてくださるかた。

なかには、「共産党、と聞こえたから長谷部さんと思って出てきたよ」というかたも。自宅に招かれて冷たいお茶をいただきました。

集落再生と日本の未来

『集落再生と日本の未来』(中嶋信[まこと]編著、自治体研究社)を読みました。

集落は日常的な生活や生産が営まれる基礎的な地域社会を言います。タイトルのとおり、集落再生は、「この国のかたち」を正す取り組みの一環で、日本の未来に直結することがらととらえられます。

紹介されている事例は、新潟県上越市・長野県阿智村・高知県四万十市・徳島県美波町・京都府南丹市のそれぞれの集落。

住民と行政との協働、市町村の積極的な計画づくり、県などによる補完、都市住民など域外からの支援など、さまざまな担い手が主体的にとりくむ実践です。

民主党が主張する「地域主権国家」には、道州制のように小泉構造改革を地方で推進する主張を含んでいて危ういものですが、大切なことは、当面の集落機能の回復を図るとともに、農林水産物の自給率向上を果たす政策への転換など、国民経済の転換を進めることです。

集落が「限界」状態に陥るのは自然現象ではなく、多くは産業政策や地域政策の失敗によるものだからです。