「日本国憲法」ってなんだったっけ? 09年版・№9      

日本国憲法第24条。「①婚姻は、両性の合意にのみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。②配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない」。
 これを生みだす力になったのは、GHQ民政部職員で、当時22歳のベアテ・シロタ・ゴードンさんが起草した「婚姻と家族とは…男性の支配ではなく両性の協力に基づくべき」とした条文でした(ベアテ・シロタ草案第18条)。

 「男性支配の否定」の精神は24条に生きています。女性による男性へのDV(ドメスティック・バイオレンス)がないわけではありませんが、「男性支配の否定」がまずもって「男性の家庭内暴力」の否定を意味することは明らかです。

 わが憲法は、近代社会が残した二つの「正統な暴力」である私的暴力=DVと公的暴力=軍隊を禁止したのです。つまり日本国憲法は、社会全体を非暴力化するためのプロジェクトだ、ということがわかります。

 この人類史的プロジェクトを中途で放棄してはならないのです。