環境都市宣言の稚内市/新エネルギーサテライト/次世代エネルギーパーク

県議会の企画環境常任委員会視察のために、夕べのうちに北海道・千歳市入り。

けさは千歳から稚内市へ移動。稚内市は昨年3月、「環境都市宣言」し、風力や太陽光など再生可能エネルギー導入を積極的に推進しています。

まずは「稚内新エネルギー研究会」が運営する稚内公園新エネルギーサテライトを視察。風力発電と連携した燃料電池の実用システムについて、会役員から話を聞きました。

風力発電の電気で水を電気分解し、水素を製造して燃料電池として活用するシステムは興味深いです。

その後、市が維持管理しているメガソーラー発電所へ。ここは、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)による「大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究」として導入された施設を、研究終了後に市が無償譲渡されています。

ここを含めて市の「稚内次世代エネルギーパーク構想」を市担当職員から聞きました。

国家としての姿勢を明確にした展開が決定的課題です。

地元訪問/市議への信頼と期待と/視察後打合せ

午前中は、3日連続で私が住む地元の地域後援会員と地元の訪問。

「高橋あき子市議は私と同い年。まだまだがんばってほしい」、「あき子さんがいない市議会はぽかっと穴があく、と感じるのは私だけではないはずだ」、「震災後に被災者に寄り添った活動を続けたあき子さんこそまたがんばってほしい」と、高橋市議に対する大きな信頼と期待の声が続きました。

午後は県庁へ行き、県議会海外行政視察後の最初の打合せがありました。今月中には「速報版」報告書、来月中には最終報告書を作成するために、私を含めた9人の編集委員、作成スケジュールを確認。

なかなかきつくなりますが、がんばります。

奈良県立医大/研修医の定着

奈良県立医科大学へ行き、臨床研修医の定着などに関するとりくみ状況をうかがいました。

そのとりくみについて説明してくれた福井章・臨床研修センター長は、小一時間の話で声をからすほどに熱を込めてくれました。

私自身は、医師の地元定着のためには、医師として働き、生きがいがもてる研修条件・労働条件の整備だと思っています。

私には、その条件整備のために、医学部6年生や研修医のナマの声・要望を聞くことから始めたとりくみに痛く共感しました。

医大だけでなく、県として、その姿勢が医師や医学生に伝わるかどうか、がカギのように思えます。

被爆者援護対策/兵庫県こころのケアセンター

特別委員会としての2日目の午前中は、広島県庁へ行き、健康福祉局被爆者支援課から被爆者援護対策について説明を聞きました。

被爆者健康手帳が交付されている人は広島県内で約9万6,000人、平均年齢は80.2歳です(広島市内では77.6歳)。全国では約21万1,000人で平均年齢は78歳を超えています。

1957年に原爆医療法が制定されるまでの戦後12年間、被爆者が「放置」された問題についてあべ裕美子さんが質問しましたが、68年に制定された原爆特別措置法、これら2つの法律を統合した被爆者援護法が1992年に制定され、法改定や施行令改定が重ねられているものの、被爆者にほんとうにより添えているか、徹底検証が必要です。

バスで兵庫県に移動し、「兵庫県こころのケアセンター」へ。

センターの概要とこころのケアに関する研修、相談、診療体制についてお話をうかがい、センター内を見学しました。

災害時には、仮設住宅入居時や、復興住宅入居時から関わることが、きわめて重要なことが強調されました。

また、今回の福島原発事故による兵庫県内への避難者からも相談があり、家族離散、子どもの教育、孤独感、関西弁になれない生活環境など、たいへんです。

広島平和記念公園/献花

きょうの広島は気温35度だそうで、広島大学に着いた時からほんとうに暑かった!

大学を出たあと、車窓から「被爆柳」や「原爆ドーム」。

午後5時を回っていたと思いますが、広島平和記念公園に寄り、特別委員会全員で献花をしました。

広島大放医研/国際ネットワークは?

今日から県議会の「子育て・健康・医療対策特別委員会」による視察です。

朝7時半に家から福島空港に向かい、出発が30分分遅れた飛行機で大阪の伊丹空港、そこからバスでJR新大阪駅へ行き、新幹線で広島駅へ。

最初の視察先の広島大学原爆放射線医科学研究所に着いたのは午後3時半前。

所長の神谷研二さんから研究所の概要と放射線医学の研究・医療体制についてお話をうかがいました。

神谷所長は、福島原発事故のような原発事故は起こらないと信じていた、と率直に語っておられましたが、あの事故後、福島大学副学長も兼ねておられます。

国際的な被ばく医療研究ネットワークの話も触れられたので、チェルノブイリ原発事故の影響による疾病情報などのウクライナやベラルーシの医学研究者・臨床医との組織的な関係の有無をうかがいましたが、研究者個人どうしの情報交換にとどまっている、とのこと。

議会委員会で政府要望/井上参院議員

県議会の企画環境常任委員会の委員全員で、福島県の復興・再生へ国が総力をあげてとりくむよう、政府要望しました。

【柳澤光美経産省副大臣】

文部科学省では神本美恵子大臣政務官、経済産業省では柳澤光美副大臣、環境省では審議官、昼休みをはさんで、復興庁では吉田泉副大臣、そして首相官邸では齋藤剄官房副長官が対応。

【齋藤剄官房副長官】

復興再生基本方針に基づく施策の確実な実施、原発の安全確保、除染の推進、賠償の完全実施、再生可能エネルギー「先駆けの地」の実現、避難地域全体のグランドデザインの提示、などについてそれぞれ要望、意見交換しました。

【井上さとし参議院議員】

昼休みから午後の要望活動までの少しの時間、参院議員会館に寄り、大学時代に4年間お世話になり、いっしょに活動した井上さとし議員をたずねました。

昨年被災直後の5月3・4日にいわきの被災地に来てもらい、11月3日の「2度目の事務所開き」で応援してもらって以来の再会でした。

あしたから3日間、県議会の「子育て・健康・医療対策特別委員会」で広島・兵庫・奈良を視察でまわってきます。

海外視察番外

10日のキエフ市内の朝早く、近くの広い歩道を散歩していると、スズメやハトの声はやはりどこも同じ。

広い道路わきの歩道には、どこでも清掃員が作業する姿を見かけました。キエフだけでなく、ゴメリでもミンスクでも。

チェルノブイリ原発へ向かう途中には、あちこちにコウノトリの巣。ベラルーシでも見かけました。けっこう高速で走るバスの車窓からなので、記録はたいへん。

朝、公園をジョギングする姿も見かけました。これはキエフ市内。

ミンスクでの夕食会場ではジャズピアニストと少し仲良くなりました。

15日は日曜日で、ドイツではアウトバーン(高速道路)を走る大型トラックは通行規制のため、どこのサービスエリアも大型トラックでいっぱい。土曜の夕刻から休むのが当たり前だそうです。

また、商店街・デパート・スーパーマーケットも日曜は休み。家族・夫婦・親族で休暇を楽しむ日だからだそうです。外食の機会も多いので、レストランは営業です。

15日の午後から通訳をしてくれた前田成子(しげこ)さん。フライブルグ市公認講師として日本でも講演活動をしています。

フライブルグ市/バーデン・ヴュルテンベルグ州

宿泊しているフライブルグ市の環境保全局をたずね、「環境の首都」といわれる市の政策を、市長代理の環境保全局長から聞きました。

チェルノブイリ事故があった1986年当時、原発依存度は60%でしたが,いまは4%程度。逆に再生可能エネルギーは3%(93年)から50%を超えるまでになっています。

「脱原発が、一般の人びとの関心として下から噴き出した」こと、市として「環境経済化」をはかること、そのための「効率のよい技術開発、人材養成」を進め、「一極集中」ではない、「職場づくりができる多角経営」を官民一体で進めています。

きょうのメインではありませんでしたが、その考え方は、公共交通機関として「路面電車」を位置づけ、「パーク・アンド・ライド」の手法で街中の車の交通量を規制する行政にも現れています。

午後は、シュツットガルト市へ行き、バーデン・ヴュルテンベルグ州の環境省(環境・気候・エネルギー管理省)をたずねました。

「政府の合意を求めながら、ドイツとして何ができるか」を追い求める姿勢には感心です。

夕刻には、在フランクフルト総領事公邸をたずね、重森豊英(しげもり・とよえい)総領事ご夫妻、伊藤麻裕(まゆ)副領事と懇談をかねた夕食。