防災対策の転換

『新たな防災対策への転換』(中村八郎著、新日本出版社)を読みました。

著者は東京都国分寺市役所で20年間、防災都市づくり、都市計画の分野の業務に取り組んできた自治体防災行政の専門家でもあります。

今回の未曾有の大震災であらためて、日本が「地震国」で、どこでも地震に見舞われる可能性があることを教えられました。

この可能性を前提に、地震発生とこれに伴う諸現象への十分な配慮による国土・地域づくり、土地利用、施設整備が必要ですが、これまでの政策はむしろ逆で、災害への脆弱化を増大させてきた、と著者は指摘します。

これまでの防災対策は、被災後の応急対策に偏重し、経済効率優先の土地利用が進められ、広域的施設を優先した社会基盤整備が進められてきた点は、根本的な誤りがあったと問わなければならない、と。

災害の未然防止対策を重視し、防災的視点による自然立地的土地利用の重視、都市部及び地方部の地域ライフライン、生活基盤施設の充実、これらを具体化する地域社会における自治体及びコミュニティー防災を強化する政策への転換が不可欠として、具体的提言をしています。

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