『比例削減・国会改革 だれのため? なんのため?』(自由法曹団編著、学習の友社)を読みました。
現在の衆議院の総選挙は小選挙区・比例代表並立制で行なわれています。
この制度は、小沢一郎氏主導のもと、細川内閣時に「政治改革」と称して導入されました。
「小選挙区制は、民意を歪曲して『虚構の多数』を生み出すことを本質とした選挙制度です」。「比例代表選挙は…小選挙区制による民意の歪曲を緩和し、多様な民意を反映するために導入されました」。
「細川内閣が提出した法案では小選挙区・比例各250議席でしたが、自民党との談合修正で小選挙区300議席、比例200議席に変更され、2000年には比例が180議席に削減されました」。
民主党はこの比例部分をさらに80議席削減する、と言い張っているわけです。多様な民意は国会には必要ない、という立場です。
ともかく、結論を言えば、比例削減のねらいは「二大政党制の確立と少数政党の排除」であり、国会改革のねらいは「国会の権能を『政権選択』の枠内に制約し、政府の権能を拡大・強化して強権国家をつくること」です。
それ自体は目的でなく、特定の政策目的を実現する手段です。