『新たな福祉国家を展望する』(井上英夫・後藤道夫・渡辺治・福祉国家と基本法研究会編、旬報社)を読みました。
副題に「社会保障基本法・社会保障憲章の提言」とあります。
もともと生活保障が弱かったこの日本で、充実した保障への需要が広まり、深まっているにもかかわらず、構造改革はこの分野での公的責任と施策を縮小させてきました。そのために日本社会がかつてない社会的危機におちいっていますが、この「基本法・憲章」は、この危機を福祉国家型の社会再生で克服しようとする試みの一部です。
この文書の作成作業が終わりに近づいたときに、昨年の3・11の原発震災に襲われました。この影響とそこから明らかになったことを含め、震災後にも4か月を費やしてできあがったのが本書です。
あの3・11が、福祉国家型の社会再建に踏み出す第一歩の日となるか、あるいは、足止めされていた構造改革がふたたび加速して日本社会を巻き込んだ日となるかは、まだ決まっていません。
これからの私たちの闘いしだいです。その闘いの指針になることは間違いありません。
「ニート」という単語につきまとうネガティブなイメージを払拭し、就業意欲の向上や支援につなげようと、新しい呼称をつける試みが話題を呼んでいます。
・【大阪一丸】レイブル応援プロジェクト:この笑えないまちに、本当の笑いを。
11日、大阪日日新聞が報じた記事では、”働く意思を持って行動を起こしているにもかかわらず、仕事に就けていないニート状態の若者”を「レイブル」と呼んで情報発信をしている取り組みが紹介されています。 記事では、「レイブル」とは「レイトブルーマー」の略で「遅咲き」の意味、と説明されています。
もともとニート(NEET)とは、”Not in Education, Employment or Training”の略であり、教育、労働、職業訓練のいずれにも参加していない層を指す言葉としてイギリスで作られた用語ですが、日本においては内閣府と厚生労働省の定義も異なっており、失業者やフリーター、「引きこもり」、「家事手伝い」を統計に含めるか否かの議論などが続いています。このような状況から、わが国では「就労意欲があるにも関わらず、仕事に就くことができていない」若者たちが「ニート」と呼ばれることで、自己肯定感や勤労意欲を失ってしまうのではないかとの指摘がなされてきました。
みなさんは、今回の呼称変更の提言、どう思いますか?