『原発を終わらせる』(石橋克彦編、岩波新書)を読みました。
編著者の石橋さんを含め、14人の執筆人。「安全神話」に取りつかれていた原発事故以前は、歯牙にもかれられなかったんだろうと私自身も感じます。
原子炉圧力容器や原子炉格納容器の設計にたずさわった技術者、金属材料学や原子力工学の研究者、技術史や都市計画、地方財政や環境経済・自然エネルギーの専門家などが、簡潔に語ってくれています。
新たな「安全神話」を再生産し、原発を続けようとする原子力村の思考がいかに時代遅れで危険きわまりないか、今だからこそ、私たちは肝に銘じるときだと思います。
原子力については、原発の廃炉が決まったとしても、その処理・処分や使用済み核燃料の処理・処分もあれば、これらを完全に社会から隔離する技術は開発しなければならないでしょうし、それを進める権限をもった独立した規制機関も必要でしょうし、そのための人材養成も必要です。
単純に「ハイ、サヨナラ」といかないのは難しいところです。