普天間の問題も、「政治とカネ」の問題も、後期高齢者医療制度の問題も、労働者派遣法の問題も、なぜ公約した方向すら示せず、鳩山政権が転落したかといえば、けっきょく、旧自公政権時代の政治の異常なゆがみをただせないからです。
「海兵隊は抑止力」というアメリカの論理に屈し、学べば学ぶほど抑止力が尊いものと察してしまい、普天間基地の県内移設と全国への拡散という、自公案よりも悪い日米合意です。
財界が社会保障抑制の号令をかけると、後期高齢者医療制度の撤廃を4年後まで先送りし、「うば捨て山」を拡大する新制度の検討です。
労働者派遣法改定も、財界の圧力で抜け穴だらけ。使い捨て労働温存法案です。
日本経団連が4月13日、「成長戦略」の名で「法人税減税」「消費税増税」の方向を打ち出すと、内閣中枢からいっせいにこれに呼応する発言。
アメリカと財界にモノが言えないという政治のゆがみが鳩山首相辞任の根本であり、このゆがみを正して政治を転換することがいま大事です。
「安定した指導者の不在」「政治手法や体質の違い」をあれこれあげつらってもいいのですが、政治の根本を議論したいものです。