『不破哲三 時代の証言』(中央公論新社)を読みました。
「読売新聞」2010年11月1日~12月11日に連載されたインタビュー記事をもとに、新しい回想や論及も含めて、日本の政治史の現在と将来を考える材料の記録としてまとめられました。
中身はともかく、「不破哲三」のペンネームですが、1953年当時に住んでいた家の近くで、争議があったペンキ屋さんの「不破建設」と、勤めていた職場の鉄鋼労連の「鉄」をもじってつけたんだそうです。共産党の機関誌『前衛』1953年9月号掲載の論文かぎりのつもりが、1956年2月のソ連共産党大会でフルシチョフがスターリン批判をし、これを契機に世界的に革命論をめぐる活発な議論の関わりで、この「不破」名を使い続けることにしたとか。
1969年12月に国政選挙初出馬の際、一般の人の前で世間に通じる話をするのは、それまで論文や政策の解説で党内で話すのとはまるで勝手が違い、演説で通用する「太い論理」をめざすようになった、というのは、私が言うのもなんですが、ものすごくわかる気がします。