『時間とは何か』(池内了著、ヨシタケシンスケ絵、講談社)を読みました。
まぁ、この2か月間、あんまり短すぎるように感じていたところ、私がファンの宇宙物理学者が「時間」について書いている本を、行きつけの本屋さんできょう、目にしてしまいました。初版は3年前。
物理学者ですから、話の大半は私たちが実際に体験する「物理時間」のことですが、最終章(8章)で、ちゃんと「心理時間」に触れてくれています。
いつも同じ速さで時間が流れているはずなのに、時間の感覚が短くなったような気分に追い立てられていることを、エンデという人が「モモ」という作品のなかで、「時間どろぼう」と呼んだそうです。
時間と競争するかのように忙しさに追われていることをテーマにしたことがうかがわれますが、どうも、アレコレ他のことを考えないため空白の時間が多くなるほど時間は短くなるようです。
流れる時間のなかに、どれくらいの思いが詰まっているか、によって時間が引き延ばされているように感じるようです。
子どもの時間はさまざまなものが詰まっていて、次つぎとなすべきことがあるので時間が長く感じられ、年をとると時間の空白が多くなってスカスカになっているので時間が短く感じるのかもしれない、とのこと。「何にでも興味があり、いろんなことにチャレンジすると老人の時計も速く回るようになり、若さが保たれることになりそうです」。
まぁいずれにせよ、時間は止めることはできず、それだけに「私たちは、時間を大事にして、いつも生き生きと生きていくことが大事」、というのが結論。