『本多勝一の戦争論』(新日本出版社)を読みました。
本多さんも80歳になるそうですが、マスコミ・ジャーナリズムの役割についてなにを語ってくれているだろうか、との思いです。
「ただの『マスコミ』(情報産業)であって、ジャーナリズムではない」という言葉は、少なくとも私にとってはずしりと響きます。イラク戦争が「国連を無視したブッシュ政権の明白な一方的侵略に、はっきりと『侵略』という単語を使っているテレビも日刊紙もない…使っている日刊紙は政党機関紙とはいえ『赤旗』だけとは、情けない」と評しての結論です。
「活字に頼る新聞は記者の『眼力』と『筆力』がますます重要になってくる」のに、「ますます必要なときに、ますます少なくなってはいないだろうか」。私はそんな気がします。
著者が尊敬する共同通信OBの新井直之氏は「いま伝えなければならないことを、いま伝え、いま言わなければならないことを、いま言う」とジャーナリズムを定義していたそうです。
本多さんは、それはなにかと言えば、「何らかの意味で人類の未来なり人類の幸せに通ずること」だと言います。
戦争は「止められます! それにはジャーナリストの活躍こそが有効だと言いたい」というメッセージを多くのマスコミ関係者が知っていただけたら、と強く思います。