安倍首相の“果実”は“失敗の種”/憲法を破り、国民だましの政治は退場

安倍首相が「この3年半のアベノミクスによって、国、地方を合わせた税収は21兆円増加した」と吹聴していることをめぐり、きのう6月8日の「しんぶん赤旗」は、財務省と総務省のデータから検証しています。160608ハタ・税収

首相が比べているのは、国の税収(消費税[国税]+所得税+法人税+その他国税)と地方の税収(地方消費税+その他地方税等)について、今年度(2016年度)当初予算の税収見込み額と、安倍政権発足前の12年度の額。

21兆円増のうち9兆円は消費税です。安倍首相は、きのうになって、21兆円のなかには消費税がこれだけ入っていることに気づき、「21兆円増加」とは言わなくなって“果実”はしぼんだようです。

そんなことはともかく、この増税によって個人消費が2年連続で落ち込み、14年度のGDPはマイナス成長、15年度も政府見通しを下回りました。貧困を深刻化させたのです。

9兆円消費増税は“失敗の種”であって、“成功の果実”などと厚顔無恥に言えるのは安倍首相ぐらいです。140601ハタ・トヨタ配当

見ておかないとならないのは、12年度は、リーマン・ショック(08年)後の世界的な経済危機と東日本大震災(11年)の影響で落ち込んだ異常事態だったこと。法人税は07年度と比べて12年度は7兆6千億円減。今年度見込みでも法人税は07年度より4兆2千億円減。トヨタ自動車は08~12年度までの5年間、法人税(国税分)を1円も払っていません(決算資料は13年度までのやや古いもの)。

07年度の税収見込み額は国・地方合わせて95兆3千億でしたが、今年度は99兆5千億。消費税増収分の9兆円を除けば、リーマン・ショック前の水準にも達しません。

アベノミクスによって景気が良くなった“果実”が税収増のように印象付けようとするこのウソによって、首相はまたぞろ「アベノミクス選挙」と言い募ってやり過ごそうとしています。160609ハタ・アベノミクス選挙

これまでも「アベノミクス一本」で選挙にのぞみ、安倍首相がしてきたことは、13年7月の参院選後は「秘密保護法の成立強行」であり、14年12月総選挙後は「戦争法の成立強行」。

そして3度目の今回の選挙後は、ろくな説明をしないままの戦争法の発動と、明文改憲に乗り出す構えを目立たないようにしてアベノミクスです。

憲法を破り、国民をだます政治は断固として退場です。

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