安倍首相は、伊勢志摩サミットで世界経済は「リーマンショック前に似てきた」と突然説明しだしました。
ところが、それが国内の失政を世界経済に責任転嫁するものだと評判が悪く、参加した首脳からも認識が違うと指摘されると、「リーマン・ショックは起きていない」と説明を変えました。
【いわき地元のきょうの一般夕刊紙】
アベノミクスはうまくいっている、リーマン・ショックや大震災のような事態も起きいない、しかし世界経済の「リスク」が心配だから、「新しい判断」で増税を延期する、というわけです。
安倍首相は自らの失政に関して無責任、厚顔無恥に加え、指摘されるのが嫌で、自らの保身のためなら支離滅裂な説明を支離滅裂とも思わない人物としか言いようがありません。
増税延期の最大の理由は、3年半にわたるアベノミクスで一向に景気が良くならず、特に一昨年(2014年)4月に消費税率を5%から8%に引き上げた結果、消費の落ち込みが長引いているためなのは明らかです。実質賃金は5年連続でマイナスです。名目賃金が伸び悩んだことに加え、アベノミクスの異次元金融緩和で物価が上昇したためです。国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費が戦後初めて2年連続でマイナスとなりました。一方でアベノミクスは法人実効税率の引き下げで大企業に4兆円も減税(バラマキ)しました。これによって賃金は伸びず、代わって急増したのが内部留保です。
事実が示しているように、アベノミクスを加速させても大企業のもうけをふやすだけで、国民の暮らしが良くなり、消費が回復する見通しはありません。
アベノミクスの転換、消費税増税の断念を参院選の審判で実現させましょう!