追い詰められた安倍首相は、消費税10%増税を2年半先送りしました。なおかつ、自らの失政の責任を認めたくないため、伊勢志摩サミットで突然、「(世界経済が)リーマン・ショック前に似ている。アベノミクスをもう一度吹かさないといけない」と言い放ちました。アベノミクスは順調なのに世界経済が不安だから増税できないと、先送りの理由を世界経済に転嫁し、破たんした路線にしがみつく体たらくです。というか、大企業と富裕層だけがうるおい、貧困と格差は広がり、経済と暮らしを深刻な危機に陥れたアベノミクスを正当化する無責任さ、厚顔無恥さには驚きあきれます。私は増税すべきたと思います。ただし、それは消費税ではなく、お金がある大企業と富裕層に応分の負担を求める税制転換による増税です。マスコミも、「安倍政権の公約違反の増税先送りに賛成しますか?」みたいな問題意識しかないかのような報道ではなく、税金の集め方はどうすればよいか、法人税減税と消費税増税が一体で進められる税制は公正なのか、税金逃れ(タックスヘイブンなど)による日本社会の財政的損失はどうなっているか、何より国民の暮らしは消費税だけでなく公共料金・社会保険料などの負担に耐えられる現実なのか、などの問題に切り込む政治を求める立場で報じられないものでしょうか。「社会の木鐸(ぼくたく)」とはそういうものなのでは? 「権力監視」「真実の報道」を日本国憲法に照らし、真正面からとらえてほしいと思います。ともかく、参院選は、自公政権を退場させる契機にすることが日本の景気をよくする大前提です。