安倍政権とジャーナリズム/権力監視・真実の報道

150506安倍政権とジャーナリズム

『安倍政権とジャーナリズムの覚悟』(原寿雄[はら・としお]著、岩波ブックレット)を読みました。

著者は1925年、治安維持法と普通選挙法が成立した年に生まれました。

戦時中は「天皇教徒」であったと自らの立場を語っています。

戦後、大学卒業後の1950年に共同通信社に入り、編集局長・編集主幹を務め、86年から92年には社長でした。

安倍政権のもと、なにが秘密かも秘密で、ジャーナリストの取材も公務員に対する「教唆」とされれば罪に問うという「特定秘密保護法」が13年12月に世論無視で強行成立させられ、昨年(14年)7月にはそれまでの政府の立場を180度転換し、閣議決定だけで集団的自衛権行使容認の憲法解釈。

こうしたことを含めた状況は、大正デモクラシーが衰退した昭和前期のようだと指摘し、そういう時にジャーナリズムは政府に対する監視・批判の姿勢が弱まるどころか、幹部が安倍首相と会食を繰り返す始末。

まさにジャーナリズムの危機です。

「権力監視」「真実の報道」に徹するジャーナリズムの覚悟がほんとうに必要だと私も強く感じます。著者のような人がマスコミ幹部にいれば、いまのようなマスコミ状況に陥ることはなかったはずですが、そうも言ってられません。

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