『だまし世を生きる知恵』(安斎育郎著、新日本出版社)を読みました。
身近な詐欺事件から国家の安全保障のレベルの詐欺まで、「だまし」の範囲はきわめて広い。
「あとがき」で紹介されているニュージーランド在住のロバート・グリーンさんは、もともとイギリスの海軍将校で、核戦略に関わっていた司令官。今は反核・平和活動家。
彼が最近出版した本で、「核抑止力論」を、「ありもしない話を信用させて人を騙す国家による信用詐欺に他ならない」と言っているそうです。
本書を読めば、「言われたことを鵜呑みにするのでなく、事実に即して徹底的に点検し、権威や評判に流されずにしっかりと判断する」ためにも、最小限度の科学的素養(ミニマム・サイエンス・リテラシー)と最小限感受性をはぐくむ大切さがよくわかると思います。