「立憲主義の破壊」に抗(あらが)う

141012立憲主義

『「立憲主義の破壊」に抗う』(川口創[はじめ]著、新日本出版社)を読みました。

著者は1972年生まれの弁護士で、04年2月に提訴し、08年4月17日に名古屋高裁が「航空自衛隊のイラクでの活動は憲法9条1項に違反」とする違憲判決が確定した「イラク自衛隊派兵差止訴訟」の弁護団事務局長を務めていました。

いわきでも5年前、ご本人から話を聞く機会もありました。

判決から6年余りが過ぎましたが、アメリカやイギリスがイラク戦争の失敗を教訓に、軍事力依存の政策から大きく転換したなか、日本だけがイラク戦争から何も学ばず、むしろもっと戦争をする方向へと進んでいるように思わざるをえない、と、著者は言います。

安倍政権による憲法破壊は、集団的自衛権、特定秘密保護法、日本版NSC(国家安全保障会議)、新防衛大綱、武器輸出三原則の廃止などをワンセットとして進める意図をあからさまにしています。

専守防衛から海外へ部隊を送る軍隊とすることで、空母も長距離弾道ミサイルをもつなど組織・編成・装備も変えられ、地方自治は国防に組み込まれ、マスコミによる「広報活動」が拡大する一方で取材活動は制限され、国民の言論活動の自由も制限され、教育の政治介入が進み、大学に対する軍事関連への強要も強まって学問の自由が奪われる…。

安倍政権は、長年国会で議論したうえで、憲法上「認められない」としてきた集団的自衛権行使をあっさりと「できる」としてしまう政権です。

異常な政権であることははっきりしていますが、自動的に倒れることはありません。「立憲主義の破壊に抗い、日本の主権を守る。日本の子どもたちの未来を守るたたかいは、始まったばかりです」。

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