チャイルド・プア

140904チャイルドプア

『チャイルド・プア』(新井直之著、TOブックス)を読みました。

著者はNHK報道番組ディレクターで、本書は2012年10月19日にNHK総合テレビの「チャイルド・プア~急増 苦しむ子供たち~」の番組を書籍化したものです。

「チャイルド・プア」も著者の造語で、子どもの貧困は国際的には「Child poverty(チャイルド・ポバティ)」というそうで、著者としては当時、「子どもの貧困」という言葉は一般的でなかったため、今まで結びつくことのなかった「Child」と「poor」の2つの単語を並べることで、違和感とともに、多くの人に関心をもってもらえると考えた、とのこと。

昨年(2013年)6月には子どもの貧困対策法(「子どもの貧困対策の推進に関する法律」)が成立し、今年1月に施行されています。

著者が取材を通してもっとも強く感じたのは、貧困の家庭で、様ざまな不利を背負って成長した子どもは、学力不足や低学歴によって、大人になってからも安定した職業に就けず、貧困から抜け出せない、「貧困の連鎖」が驚くようなスピードで進んでいること、とのこと。

子どもの貧困は、もはやどこか遠くの世界の話ではなく、私たちのすぐ隣で起きている身近な問題であり、取材のあとも、その状況は悪化の一途をたどっている、と指摘しています。

子どもの貧困対策法に基づく実効性の高い対策が求められます。

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