『規制改革会議の「農業改革」20氏の意見』(農文協ブックレット⑪)を読みました。
今年(2014年)5月22日に政府の規制改革会議が「農業改革に関する意見」を出し、これを下敷きに、6月24日に安倍内閣は「農林水産業・地域の活力創造プラン」(改定)と「日本再興戦略」(改定)を閣議決定しました。
本書の編集部による「まえがき」によれば、「市場原理のみを至上の原理とする経済社会の在り方に対し、人間社会は今、もうひとつのセクター、参加、協同、共生等を原理とする『共同セクター』を必要とし…その中心に立たねばならないのが協同組合であり、とりわけ地域に根をおろした農業協同組合であるべき」としています。
本書では、その立場から、これまでの農協の弱点の克服も提示しながら、安倍農業改革路線の全面的・徹底的批判を、農文協の「シリーズ地域の再生」(全21巻)を執筆した20氏が展開してくれます。
ともかく、やはり「まえがき」ですが、「この改革は、日本が直面する課題=“地域と共同の再生”を真っ向から否定し、大資本本位の成長戦略の鋳型に農業・農協を押し込め利用しようとする、お門違いと時代錯誤なものと断じざるを得ません」。