イラク・アフガン戦争の犠牲者/米帰還兵は1日22人自殺/派兵自衛官の自殺40人

140706ハタ・兵士死亡者

アフガン・イラク戦争から、事実の確認だけはしておこうと思います。

アフガン戦争は、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ後、当時のブッシュ政権が同年10月、対テロ報復戦争(不朽の自由作戦=OEF)に踏み切って空爆を強行。個別的自衛権の発動でした。これに北大西洋条約機構(NATO)諸国が集団的自衛権を行使して参戦。11月にタリバン政権が崩壊後、国連安保理は集団安全保障措置として国際治安支援部隊(ISAF)を決めました。

NATOは当初、「テロ情報の協力強化」など後方支援・非戦闘分野を想定していましたが、ISAFとOEFを兼務するなかで戦闘に巻き込まれ、NATOの犠牲者は7月4日現在で1,031人に達しています。

アフガン戦争で先制攻撃戦略を確立したブッシュ政権は03年3月、イラクに対して大量破壊兵器保有の疑惑を口実に先制攻撃戦争に踏み切りました。NATO諸国はイラク戦争への参加をめぐり分裂し、アメリカを中心としたイギリスなどの有志連合が戦争を遂行し、占領しました。国連安保理は04年6月、有志連合をイラクの治安維持・復興を担う多国籍軍として認定しました。

イラク戦争でアメリカを除く参戦国の死者は381人です。

140713ハタ・派兵自衛艦自殺

「全米イラク・アフガン帰還兵」という退役軍人の支援組織による今年3月の白書によると、「9・11以後、2つの戦争に米国は延べ260万人の兵士を派遣し、この3月までに5,800人が死亡し、5万2,000人が負傷した。負傷しても帰還できればまだマシですが、その人たちを含めて帰還兵の何と60万人が、戦地の恐怖を体験して心的外傷ストレス障害(PTSD)に陥り、その中から推計で1日当たり22人が自殺している。しかも30歳以下の若い人の比率が高い」(6月19日「日刊ゲンダイ」高野孟「永田町の裏を読む」)。

1日当たり22人の自殺といえば、戦場での戦死以外に、年間で8,000人超が帰還しながら自ら命を絶っている、ということです。

このことは、「しんぶん赤旗」の今年3月31日付けでも報じていました。

日本の政府答弁や防衛省の回答によれば、これらの戦争に伴って派兵された自衛官の自殺は40人にのぼっています。

非戦闘地域への建前ではあっても、追撃法やロケット弾による宿営地への攻撃は14回に及びます。自衛官のその緊張と恐怖はいかばかりでしょうか。

それを知ってか知らずか、戦闘地域への自衛隊派兵を公然と認めるのが集団的自衛権行使容認です。

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