家永三郎さん/安倍政権への対抗の方向

140503家永三郎

『家永三郎生誕100年 憲法・歴史学・教科書裁判』(家永三郎生誕100年記念実行委員会編、日本評論社)を読みました。

家永さんは1913年生まれで、2002年に89歳で亡くなっています。

家永さんといえば、私にとっては、「教科書裁判」の原告として、単なる教科書問題だけでなく、憲法や教育のあり方を含め、たたかい続けた人、という印象です。

だいたい、教育にかかわって、興味・関心をもって見る意志をもつ契機をつくってくれたのは家永さんの存在だ、くらいに思っています。

最初の教科書訴訟は1965年6月に検定処分と検定制度を違憲・違法として国家賠償請求訴訟として(第一次訴訟)、次にその2年後の1967年6月には不合格処分の取り消しを求めた行政訴訟として(第二次訴訟)、そして最初の提訴から19年後の1984年1月には「80年代検定を争う」といわれた国家賠償請求訴訟として(第三次訴訟)、裁判が行なわれました。

1997年に第三次訴訟最高裁判決にいたるまで32年に渡る、家永さんにとっては人生の後半生をかけたたたかいです。

この本は、昨年8月31日に開かれたシンポジウム「生誕100年 家永三郎さんの学問・思想と行動の今日的意義-歴史認識と教育を考える」での報告・発言、懇親会での発言をもとに構成され、20人のかたがたが執筆しています。

第二次安倍政権の乱暴ぶりについて、30年余もの「教科書検定違憲訴訟の闘いは一体何であったか、と思わせるほどの凄まじさ」も語られますが、この政権のもとでの「教育改革」、「情報統制」、「安全保障」、「憲法改正」などの動きの問題点や対抗すべき方向性を国民的にさぐる契機になればと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です