『「古典教室」全3巻を語る』(不破哲三・石川康宏・山口富男著、新日本出版社)を読みました。
入院中に読み切った不破さんの『古典教室』全3巻について、著者を交えて、その魅力・読みどころについてのてい談です。
一昨年(2010年)12月から約1年の「綱領・古典の連続教室」の「古典教室」を不破さんが受け持ち、第一課「賃金、価格および利潤」(マルクス)、第二課「経済学批判・序言」(マルクス)、第三課「空想から科学へ」(エンゲルス)、第四課「『フランスにおける階級闘争』(マルクス)への『序文』」(エンゲルス)、第五課マルクス、エンゲルス以後の理論史、の講義を3冊にまとめたものです。
私の関心としては、古典と日本の今現在の社会との関連いかんであり、04年1月の党大会で改定した党綱領にどう生きているか、がいちばん。
それへの回答はもちろん、ずいぶん以前に接したままの古典とのかかわりで、科学的社会主義の世界観(哲学)・経済学・未来社会論(社会主義)・革命論の4つの構成部分、「古典」が書かれた当時の世界の歴史の流れ、これらを書いたマルクス、エンゲルス自身の思想の流れは、不破さん自身が探求しつづけながらの今の到達を語ってくれていて、新鮮です。
同時に、石川さんが「政治的に自主独立の立場をとることと、自主的な立場できちんとした理論的な成果が生み出せることは別の問題」として、不破さんに「理論的な成長の過程がなぜ可能であったのか」と聞いていますが、ともかく、「一歩一歩」「根拠を研究し吟味し」「真剣勝負」の連続がこれからも続くようです。