きょう5月1日は第85回メーデーです。
安倍政権は、「企業が世界一活躍しやすい国」を声高に叫び続けますが、「若者が世界一働きやすい国」にする気は毛頭なさそうです。
派遣労働の大前提である「常用雇用の代替は禁止」「臨時的・一時的な業務に限定」の原則をなくし、「生涯ハケン」「正社員ゼロ」社会へ道を開く派遣法の改定案を提出し、第一次安倍内閣で一度は断念してした「残業代ゼロ」「解雇自由」の復活ももくろんでいます。
今、日本の雇用や給与をめぐる実態がどうなっているか、下関市立大学准教授の関野秀明さんが月刊雑誌『経済』5月号の「マルクス経済学の基礎と貧困・自己責任論」と題した文章の中で、いくつかわかりやすいデータを示してくれています。
90年代半ばに正規労働者3,800万人、非正規労働者1,000万人、非正規比率20%余だったものが、2013年(7-9月期)には正規3,300万人、非正規1,900万人、非正規比率36.7%になっています。
安倍政権は非正規比率を際限なく引き上げて、人間を企業のもうけのためのただのコマとしか見ない政策です。
年間の平均給与は、1997年に467万円ありましたが、2012年には408万円まで落ち込みました。年収200万円以下で働く人が2012年は1,090万人で23.9%、ほぼ4人に1人です。年収200万円とは1975年の労働者平均賃金だそうです。
安倍政権は働く者の賃金を高コストとしてさらに引き下げ、企業のもうけに回るようにします。
資本金10億円以上の大企業のいろいろな指標を、1997年の値を「1」として見ると、2012年の経常利益1.72、利益剰余率1.81、資本剰余金2.38、株主配当3.48にふえています。そして売上高は0.97、従業員給与0.92、法人税1.09。
要は、売り上げがのびていないのに、給与を削減し、税金もあまり払わず、株主配当と内部留保に回す、という経営姿勢の現れです。
安倍政権は、大企業のこうした経営姿勢を支えてあげるしくみを整備したいわけです。原発利益共同体も軍需産業もその仲間ですから、原発再稼働・輸出、集団的自衛権・武器輸出・軍拡予算もその一環です。
「企業が世界一活躍しやすい国」と安部首相が言う中身は明らかではないでしょうか。こういう政治に憲法を合わせるには、現行憲法はなんとしてもじゃまです。
歴史逆行の政治をやめさせ、憲法を活かす政治を私たち国民の手で実現しましょう。