『いちから聞きたい放射線のほんとう』(菊池誠・小峰公子著、おかざき真里・絵とマンガ、筑摩書房)を読みました。
先日の「朝日新聞」の読書欄で目にし、ついひかれました。
小峰さんは福島県郡山市に実家があるミュージシャン。菊池さんは物理学者。
郡山市は国による避難指示はなかったものの、県内でも空間放射線量が比較的高く、小峰さんの実家は市内でも汚染がひどかった地域らしいです。
小峰さんは言います。
「原発事故が報じられると、たちまちのうちに多くの情報が流れ、いろいろなデータが出てきては、様々に『解釈』され、それがよく理解されないままにどんどん拡がっていき」、「これまで知らなかったたくさんのことが出てきて」、「次々と難問をつきつけられようで」、「頼れる友人」の「菊池誠さんに、わからないことをメールやチャットでとことん聞きました」。
その「貴重なやりとりを私のPCだけに収めておくのはもったいない、これに加えて、女子のこころをぎゅうっとつかんで離さないおかざき真里さんのステキな絵の力もお借りできたら、科学に馴染みのないかたにも手にとっていただける本ができる」。
菊池さんも「インターネットを通じて交わしたチャットがもとになっています」と言っています。
こうして今は本が生まれるんですね。
「いま知っておきたい22の話」です。「放射線ってなんだろう」で12の話、「放射線とわたしたち」が10の話。「朝日」で評されているように、「読みやすく、ユーモラスで、誠実な1冊」です。