加藤周一最終講義/日本文化-九条の会

140209加藤周一

『加藤周一 最終講義』(かもがわ出版)を読みました。

加藤さんは、08年12月に89歳で亡くなったのですが、私にとっては、簡単に言ってしまえば「知の羅針盤」のような人でした。もっともそれは、社会的・政治的発言に関してです。彼の文学的・芸術的知見に私はついていく気もありませんでした。

本書には、00年から08年にかけての9年間に、京都を中心とする加藤さんを囲む勉強会での座談、佛教大学、北京・精華大学、立命館大学での講義がおさめられています。

立命館大学での話以外は、この本で初めて活字になりました。

全体を貫くテーマは「日本文化とは何か」。その出発点が、1931~45年の日本のばかげた戦争をなぜしたのかのわけを突き止める強い関心です。

直面する時代に即し、時代を超える普遍的なものをとらえたい、という姿勢です

その関心と姿勢が04年6月10日に立ち上げた「九条の会」と、「書くだけではなくて、もう一歩踏み出した組織に初めてコミット」し、「少なくとも歩行できる程度の体力が残っていれば、抵抗したい」行動につなげる生きざまに、ものすごい感動を覚えて読み終えました。

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