『震災復興と自治体』(岡田知弘・自治体問題研究所編、自治体研究社)を読みました。
A5版ハードカバー約400ページの重厚な成果です。
研究者だけでなく、福島県浪江町長、岩手県議会議員、宮古市職員など自治体労働者、住民グループの実践家が共同で執筆し、被災地での復興をめぐる2年余りの動きを、住民自治と団体自治の視点、国と地方自治の視点から、立体的にとらえられるようにした、とのこと。
国の「創造的復興」政策の問題点を批判し、「人間の復興」のとりくみが被災者・基礎自治体を中心に広がっていることを明らかにするとともに、これからの日本の地方自治と国が進むべき道を提起してくれています。
Ⅰ東日本大震災と復興政策、Ⅱ現場から問う復興政策、Ⅲ原発災害と復興政策、のⅢ部構成ですが、私の印象としては、第Ⅲ部の原発災害を中心に、Ⅰでの市町村合併の影響、自治体と自治体職員、Ⅱでの医療・住宅・中小商工業の再建・農水産業を包含した福島県の復興へ向けた全体像を探る作業が必要と感じます。