午前中、県議会の「福島県沿岸部水産業復興議員協議会」として、福島県水産試験場の現地調査をしました。
場長から、現在の仕事の中心となっている魚介類への放射能の影響検査のデータの傾向や概要などについて説明を受け、質疑しました。
試験場では、毎週、調査船や漁業者の協力で150検体以上の魚介類を採取して放射性セシウムの検査をしています。
たとえば直近だと、8月4~12日に採取した154検体のうち、放射性セシウム134・137の合計でキログラム当たり100ベクレルを超えたのは、アイナメ(170ベクレル)とエゾイソアイナメ(ドンコ、410ベクレル)の2検体。
全体的傾向としても、事故直後からの時間の経過とともに、明確に低下しているとのこと。アイナメ、メバル、ヒラメなど、高い数値が出ている魚種でも低下傾向で、個体差が大きいようです。
汚染水漏出の事実があるだけに、長期に渡る検査は不可欠で、漁業者まかせにせず、体制と設備の拡充を国と行政の責任で明確にすべきです。
ちょうどこの時間、生きたウニの検査を実施中でした。
小名浜漁港は漁を待ちわびる漁船。
午後は県いわき建設事務所をたずね、新盆先で相談を受けた件の説明を受けました。いわき市の津波被災市街地土地利用計画方針に基づき、県が実施する県道整備・防災緑地整備・海岸堤防かさ上げ・河川河口部水門整備により、補償のうえで立ち退きを県から求められている件です。
この地域は津波で流された家が少なくないのですが、たまたまこのお宅は地震でも津波でも大きな被害がなく、住み続けられますが、ちょうど防災緑地予定地のなかにあります。津波の浸水があったために、土地価格は下落していて、その価格が補償の基準。
ところがいわき地区は、こうした津波浸水地域以外の土地価格は上昇中です。下落価格で補償されても、同じ面積で土地を確保することは不可能です。
まして住み慣れた現在の家に住み続けたい、という希望。
あの未曾有の災害を受けたばかりだけに、住民にとっても、行政にとっても、きわめて悩ましく、住民の立場に立って、どう解決するか、ということです。