『市民・地域主導の再生可能エネルギー普及戦略』(和田武著、かもがわ出版)を読ました。
著者は現在、日本環境学会会長を務め、なおかつ、2011年3月11日午前中に菅内閣の下で閣議決定され、8月に成立した「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(再生可能エネルギー特措法)」に基づく「調達価格等算定委員会」の委員も務めています。
その委員会は、再生可能エネルギー発電の種類ごとに必要経費を想定し、いずれの発電の場合もある程度の収益が出るように、買取価格や買取期間を政府に提案しました。
その当事者として、この法制度の問題点や課題をしっかりと示してくれていますが、ともかく、日本でも、この特措法によって、電力買取制度が施行され、再生可能エネルギーの普及促進に向けての歩みが開始されました。
原発事故がなかったかのように原発再稼働・輸出に固執する経団連があいも変わらずその見直しを主張し、マスコミでも電気料金のアップなどを理由に否定的な報道もないではありません。
こうした動きも見定め、本書では、市民や地域主体の積極的なとりくみにより、安全で持続可能なエネルギー社会の構築が現実的に可能であることを、ドイツ、デンマーク、そして日本各地での事例で示してくれています。
「Think of Future,Act Now(未来のことを考え、いま行動しよう)」です。今でしょ。