菅総理は広島でのきのうの平和記念式後の記者会見で「核抑止力は必要」と、被爆者をさかなでしました。
その直前、秋葉忠利広島市長は平和宣言で次のように述べました。
「いまこそ、日本国政府の出番です。『核兵器廃絶に向けて先頭に立』つためには、まずは、非核三原則の法制化と『核の傘』からの離脱、そして『黒い雨降雨地域』の拡大、並びに高齢化した世界全ての被爆者に肌理(きめ)細かく優しい援護策を実現すべき」。
また、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は次のようにあいさつしました。
「核兵器が存在する限り、私たちは核の影におびえながら暮らすことになる…自分たちが生きている間、そして被爆者の方々が生きている間に、その(核兵器が一つ残らずなくなる)日を実現できるよう努めよう」。
菅総理はこれらをほぼ全否定したわけです。
もうひとつのきのうの出来事は、福島県知事による福島原発でのプルサーマル受け入れ表明。
前知事時代、「とりわけ、核燃料サイクルについては、一旦、立ち止まり、全量再処理と直接処分等他のオプションとの比較を行うなど適切な情報公開を進めながら、今後のあり方を国民に問うべき」(02年9月、福島県エネルギー政策検討会「中間とりまとめ」)とした立場を転換することについて、何の理由も知事は示していません。
放射性廃棄物についても県は「法律・制度は確立されたが、処分地決定は相当困難なのではないか」と提起していたのです。
知事によるプルサーマル受け入れ表明も、県民の声もまともに聞かず、知事自らの言葉でまともな説明も県民にせず、県民をさかなでするばかりか、安全性も経済性も検証されていないプルサーマルの実験場に県民を引き入れるものと言わざるをえません。