自民党・安倍政権のTPP交渉参加への前のめり姿勢には驚くばかりです。
森雅子参院議員は、総選挙後に自公政権が復活後、少子化担当大臣になったのですが、彼女は総選挙時、あちこちで「TPP参加にはぜったい反対です」と訴えていました。私が同席していた場なので間違いありません。
先月27日の参院予算委員会では、井上哲士議員が、総選挙時の山形県米沢市内での自民党候補者のポスターを示していましたが、「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない」というものです。
だいたい、日米共同声明の「一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではない」という文言は、「交渉ではどうぞ言いたいことは言ってもいいよ」と言っているだけで、そもそもが「すべての物品が交渉の対象になる」ことを確認しているわけです。
関税と非関税障壁の撤廃という、TPPの大原則を変えることはないのです。
なのに首相は、「聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になった」と強弁する理由はどこにあるのでしょうか。
今月1日にJA全中(全国農業協同組合中央会)の萬歳(ばんざい)晃会長は、「聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になったとは理解していない。自民党の政権公約すべてをクリアしなければダメだというのが全国のJAグループの声だ」と、安倍首相、自民党石破幹事長、公明党山口代表との会談で伝えた、とのこと。
また「政権公約としての6項目すべてが順守されない限り、国民の信頼を得ることにはならない」とも主張しました。
民主党政権のもとで、「マニフェスト」は「公約破り」の代名詞になりましたが、復活した自公政権もこれを繰り返す気配が濃厚です。