シビアアクシデント/軽水炉の特徴

130129シビアアクシデント

『シビアアクシデントの驚異』(舘野淳著、東洋書店)を読みました。

著者は1959年に日本原子力研究所研究員となり、のちに労組委員長もつとめました。1997年から07年までは中央大学教授、2000年には『廃炉時代が始まった』(朝日新聞社)を上梓されていました。

日本の原子炉の主流は「軽水炉」です。原子力分野の研究者・技術者は以前から軽水炉は熱の制御こそが問題であることを知っており、「軽水炉の最大の弱点は熱のコントロール機能が極めて脆弱な点」にあります。

そして軽水炉の技術的な特徴が、原発の備えている固有の安全性や、安全装置の範囲内では収拾できないシビアアクシデントが起きることです。

シビアアクシデント時代が到来していることは間違いなく、本書では、そのシビアアクシデント問題がなぜこれまで見過ごされてきたか、あるいは隠蔽されてきたのか、開発の歴史と技術の両面から追求しています。

福島原発事故の経過についても、4つの事故調査報告書(政府事故調、国会事故調、民間事故調、東電事故調)から再現し、シビアアクシデントにまったく無防備だったことも立証しています。

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