「日本国憲法」ってなんだったっけ? 09年版・№5      

 日本国憲法第9条。「①日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。②前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権はこれを認めない」
 前文で、国民の「平和のうちに生存する権利」を保障したのと一体のものとして、政府に対し、戦争をすること、戦力をもつことを断じて禁じた世界的に有名な条文です。

 国連憲章でも、「加盟国は…武力による威嚇又は武力の行使は…慎まなければならない」(第2条第4項)と言っており、その点では9条1項と同じです。違いは、国連憲章が「慎まなければならない」と慎重な表現ですが、わが憲法は「永久にこれを放棄する」と強烈です。どちらにせよ、趣旨は「原則禁止」です。

 日本は、国連憲章の精神と条文に忠実で、国連中心主義や国際貢献を憲法にもっとも体現している誇らしい国です。

 しかも、武力による威嚇や武力行使の根源にある武力そのもの(戦力)を憲法9条2項で禁止した日本では、国連が原則禁止した武力による威嚇も武力行使も絶対にありえません。

 この条文をもつにいたった背景や意味なども考えてみる必要がありそうです。