『「被災者目線」の復興論』(日野秀逸著、新日本出版社)を読みました。
東日本大震災は、大規模性と複合性と超広域性と長期性を特徴とする大災害です。とくに原発事故の被害はいつまで続くのか、予測すら立ちません。
こうした大震災からの再建・復興には、被災者を中心とした住民が再建方針の策定に大きく関わり、再建方針を市町村と県がバックアップし、とくに財政的には政府が全面的に支援することは不可欠です。
ところが、6月25日に菅直人首相(当時)に答申された、東日本大震災復興構想会議の「復興への提言」、著者が住む宮城県の「震災復興計画(第二次案)」(8月22日確定)は、こうした点からはかけ離れているといわなければなりません。
ここには、「上から・外から・被災者以外の視点から再建・復興を利用する」意図がありありです。
被災地・被災者・現地からの再建・復興をなにより優先させなければなりません。