『福島第一原発事故と放射線』(NHK出版新書)を読みました。
著者の3人は、事故以来、連日、NHKの画面に登場し続けた解説委員と記者です。
冒頭の「ドキュメント48時間」は、文字通りの「緊迫の放送センター」で、当時は私も、朝と夜はずっとテレビ漬けでしたから、緊張感がよみがえってしまいました。
情報過疎のなか、公共の電波に乗せる言葉をどう発するか、あのときの表情は切羽詰った気持ちが裏にあったんだなぁ、苦労しただろうなぁと思います。
視聴者からさまざまな疑問や質問も寄せられたと思います。放射線の健康への影響や、原発事故にかかわるそうした疑問にも、記者としてていねいに答えてくれています。
03年には民主党が原子力発電を「過渡的エネルギー」と位置づけていたのに、いつのまにやら自民党以上に原発を推進する方向に転換した点もきびしく指摘しています。
今後の国としてのエネルギー政策について、国民的な議論を具体的にできるような提言もしています。