「かけはし」6月号をご近所240軒ほどに配りました。
ペロといっしょで、ちょうど近所の小学校の下校時で、小学生たちにかわいがられ、満足な様子。
今回の「かけはし」のテーマは「福島原発は廃炉 原発はゼロに」。以下、その文章です。
原発には「止める」「冷やす」「閉じ込める」のシステムがある、放射能を閉じ込める「五重の壁」(ペレット・被覆菅・原子炉圧力容器・原子炉格納容器・原子炉建屋)がある、だから何があっても大丈夫、という「安全神話」は完全に崩壊しました。
原発事故で明らかになったことは、いまの原発技術は本質的に未完成で危険だ、ということです。
原発の運転を止めても、ウランから生まれた核分裂生成物は膨大な熱を出し続けます。だから絶えず冷やし続けなければなりません。そのための水が止まってしまい、核燃料の暴走が始まりました。
水が止まったのは、地震と津波の影響で電源がすべて失われたからです。発電所の中で電気が断たれたのです。
あらゆる場合を考えて、水が止まらないようにする技術の段階にはない、ということです。
さらに、核エネルギーを取り出す過程で生み出される大量の核分裂の生成物質を、原子炉内部に完全に閉じ込める技術の段階にないこともわかりました。
「冷やす」「閉じ込める」「五重の扉」は飛んで消えました。そして核分裂生成物質が飛散したわけです。
そのうえ、原発が生み出す使用済み核燃料を後始末するシステムも人間は開発できないでいます。
しかも今回、原発だけでなく、使用済み核燃料が核事故の発火点のひとつとなりました。
こうして、原発技術が未完成で危険であることが誰の目にもはっきりしたと思います。
今、政府が取るべき道は、福島原発の廃炉はもちろん、原発からの撤退を政治的に決断し、原発をゼロにする期限を決めたプログラムを作成することです。
そして、原発ゼロにいたる期間に、原発事故の危険を最小限のものとするために、原発推進の経済産業省から完全に独立し、強力な権限と体制をもった規制機関を緊急に確立することです。
そのための、国民的な討論と合意を広げなければならないと思います。