『就活とブラック企業』(森岡孝二編、岩波ブックレット)を読みました。
大阪過労死問題連絡会が昨年11月に開催したシンポジウム「ブラック企業の見分けかた」の再現です。
若者の過労死・過労自殺に取り組む弁護士、上場企業に就職して4か月で過労死した青年の遺族、就活で百数十社の企業を回った学生、若者の労働相談・生活相談に若者自身が応じているNPOの事務局長、青年労働者といっしょに団体交渉をしている地域労組の役員が報告しています。
いまや、「就職すれば違法に当たる」といわれるぐらいだそうで、若者を過労死・過労自殺に追い込んだり、違法な解雇や賃金不払いなどの違法・不当な働かせかたをしたりしているのは、一部の「ブラック企業」だけでなく、多くの企業に見られるものであること、だから、「ブラック企業」に就職しなければよいという問題ではなくなっています。
企業に法令を遵守させることが社会全体の課題であり、そして、まともな賃金、まともな雇用、まともな労働時間、まともな社会保障という中身をもった「まともな働きかた」(ディーセント・ワーク)について考える材料のひとつとして編まれたブックレットです。