『「科学の目」で見る日本と世界』(不破哲三著、新日本出版社)を読みました。
昨年の2つの講演の記録です。ひとつは10月30日、日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会が、バンドン会議とこの組織の55周年記念集会で講演「世界史のなかで21世紀を考える」、もうひとつが11月7日、「赤旗まつり」での講演「『科学の目』で日本の政治史を読む」。
とくに日本の政治史を「科学の目」で読むにあたって、「社会の発展や国民の生活を抑え込んでいる害悪の根源、その根っこがどこにあるのか、それをまずつかむ必要」があること、そして政治のいちばんの中身が「害悪を取り除こうとしてる勢力と、その害悪に固執してもっと悪くしようとして頑張っている勢力とのあいだの争い」であることの指摘は重要だと思います。
こうした「目」で、アメリカの占領と戦後日本の始まり、日本の政治が元気だった70年代、共産党排除と「オール与党」体制をつくりあげる支配勢力の総反攻の80年代、「非自民」政権の失敗と共産党躍進の90年代、そしてまた支配勢力の新たな総反攻が「二大政党」を看板にして始まった21世紀初頭を見定めます。
国民が自民党政治を経験し、そしてその政治を変えることを期待された民主党政治を経験したことは、今後の日本の政治にとって非常に意味があり、「時間はかかっても、未来に向かう国民の探求は、必ず、社会をゆがめ生活を押さえつけている害悪に立ち向かう方向に発展する」と、その確信が語られます。