「なぜ異次元金融緩和は失策なのか」/ボタンの掛け違い

いつ以来なのか、実に久しぶりに一冊の書籍を読み切りました。建部正義著『なぜ異次元金融緩和は失策なのか』(新日本出版社)。日銀が、首相と仲良しで首相の言うことをよく聞き、二%の「物価安定の目標」の掛け声のもと、「量的・質的金融緩和」、その拡大策、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」、長短金利操作付き量的・質的金融緩和」とあれこれしていますが、日銀ウォッチャーで、金融論が専門の著者が、根本に立ち返って懇切・ていねいに、副作用・弊害を含め、その「失策」の理由を語ってくれています。

そもそもデフレの真の原因は、貨幣的・政策的要因にあるのではなく、1990年代末以降の賃金の切り下げという実物的要因にあります。最初からボタンの掛け違いをしているのが日銀です。

きょう付け「しんぶん赤旗」経済欄に、これにかかわるコラム掲載。

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