『日本会議の正体』(青木理[おさむ]著、平凡社新書)を読みました。
著者がジャーナリストとして節度をもって当事者に接して取材する姿勢に徹していることがよくわかります。
が、その取材の過程で、「秘密主義」、「警戒感」、「敵対意識」といったようなものをつくづくと痛感させられたそうです。 まずもって、著者の反骨ジャーナリズム精神とその取材姿勢に敬意を表したいと思います。この日本会議について、外国メディアが国内のメディアよりもよく取材し報じている(?)ことが紹介されます。 著者のまとめによれば、日本会議とは「日本の政治をつくりかえようとしている極右ロビー団体」(オーストラリア・ABCテレビ、15年12月3日)であり、「強力な超国家主義団体」(フランス「ル・モンド」紙、15年6月26日)であり、「安倍内閣を牛耳」(アメリカ・CNNテレビ、15年2月27日)っているにもかかわらず、「日本のメディアの注目をほとんど集めていない」(イギリス「エコノミスト」誌、15年6月6日)。
プロローグにあるように、取材によってそのことを検証・洞察することが目的です。日本会議という右派組織の正体を知り、現下日本の政治や社会状況の問題点を捉えなおす好著だと思います。