『柳家小三治の落語3』(小学館文庫)を読みました。これで、07年12月~08年4月にかけて発刊された1~3を、8年越しでやっと眠りから起こした思いです。
もともとこの文庫は、1983年から1999年の間に、TBS「落語研究会」で演じた口演を07年秋にDVD化され、それを原稿に起こしたものです。この3巻の「厩火事(うまやかじ)」の演目解説で京須偕充(きょうす・ともみつ)さんは、「普通の暮らしの中で起きる、どこにでもありそうなこと。それを切り取って噺(はなし)にしたらこうなりました--。落語ってそういうものじゃないでしょうか」と言っています。私もそう受け取って7~8年前にこれらの文庫を手にした覚えがありますが、読んでみると、日常のなかでの広い見識を持たないといけない気がしました。