『憲法と政治』(青井未帆著、岩波新書)を読みました。
政治や憲法を成り立たせている個人、自由、国家などの理解や社会のありようにさかのぼりつつ、政治が憲法を乗り越えようとする、ここ数年に私たちが目撃してきたさまを、安保・外交政策の転換を中心に追い(第1章)、
憲法九条のもとで展開した防衛法制という法のしくみのありようを確認し(第2章)、論理整合性の限界に達していると思われる問題領域の一端を見(第3章)、
そうしたなかで憲法九条を支えるものについて考察し(第4章)、安保関連法案の強行採決を振り返って国会の責務や役割を考え(第5章)、政治と法の関係を裁判所の役割という視点から問い直します(第6章)。
ともかく、「二〇一五年の安保関連法制は、憲法九条の下では成立する余地のない、『一見きわめて明白に違憲無効』の違憲の法律」です。私たちは、「憲法から自由な政治を許さない」として、権力の統制の問題に向き合い、「憲法で政治を縛る」立憲主義を活かす市民になりましょう!