『貧困世代』(藤田孝典著、講談社現代新書)を読みました。
『下流老人』(朝日新書)の著作もある著者が、共産党発行の『女性のひろば』4月号で、田村智子参院議員と対談し、「『下流老人』予備軍といえるのが『若者の貧困』です。それも『見える化』しないといけない」と、この本の出版についても語っていました。「貧困世代」とは「一生涯貧困に至るリスクを宿命づけられた状況に置かれた若者たち」約3,600万人のことです。
若者たちが置かれている状況や貧困の実態、生活の困難さをひとことてわかりやすく伝えられる用語として、半年ほど悩み、同い年の本書編集者、大学の同僚などとの語り合いから創作された言葉です。
ちなみに著者は1982年生まれの30代の若者です。
著者自身が直接相談を受けた若者たちのリアルな声から見える若者たちが置かれた現実、その貧困状況を「大人たちがわからない悲劇」、ブラックバイトと奨学金問題による「学べない悲劇」、貧困世代が抱える「住めない悲劇」…この現実を共有し、この現実を招いている社会構造を変えるための提言書です。