『福島が日本を超える日』(浜矩子・白井聡・藻谷浩介・大友良英・内田樹著、かもがわ出版)を読みました。
「『生業を返せ、地域を返せ!』福島原発訴訟」の原告のみなさんを対象に開かれた、裁判中の講演会の記録です。
というのも、この「生業訴訟」の原告団は4,000人ほど。ほぼ2か月ごとに行われる裁判のたびに県内各地、全国各地から何百人もの原告が駆けつけますが、傍聴できるのは数十人。
そこで、傍聴できない原告のみなさんが有意義な時間を過ごせるよう、裁判と並行して、弁護団・原告団が主催し、本書の出版社が後援する講演会が企画された、という次第です。
この訴訟の趣旨に賛同し、講演されるみなさんにとっても、徒歩数分のところで行なわれている裁判の時間帯に、同じ裁判の原告を前に話をする体験はそうないはずです。
それだけに、本書に登場する5人の講演者のみなさんが、原告のみなさんに寄り添い、ともに裁判をたたかう気持ちがはじける話ばかりです。
大友さんは横浜生まれで、9~18歳の思春期を福島市で過ごした音楽家。80代半ばのご両親は今も福島市暮らしだそうです。原発事故後、ドイツでの反原発デモで「ノーモア・フクシマ」のいっぱい掲げられたプラカードに激しく傷つきショックを受けたとのこと。
堂々と「ノーモア・フクシマ」と言える日、この訴訟をたたかったことに人類が誇りを持てる日が来てほしいと願う話。「あまちゃん」とどうつながるのか、ジ~ンときます。