マタハラ

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『マタハラ問題』(小酒部さやか著、ちくま新書)を読みました。

あまりに私が世間知らずなのですが、まず驚くのが、第1章の「私のマタハラ体験」が64ページにわたり、4人の男性上司からあれやこれや。その失望、悲しみ、怒り、憎しみ…。

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その会社は、「厚生労働省が発行する子育てサポート企業の認定マークである“くるみん”を取得」し、「ワークライフバランス、女性が働きやすい会社」を謳い文句とし、著者としても「こういう企業であれば仕事とプライベートを両立できる」と思い、やり甲斐を感じていました。

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そんな時に、妊娠・流産…。驚くべき体験が64ページに綴られます。

この経済先進国・日本にマタハラ問題がはびこるのは、性別役割分業の意識、長時間労働の二つの理由があること、マタハラは人権問題であるだけでなく、労働問題であり、ひいては日本の経済問題であり、経営問題として企業が向き合わなければ問題だと強調します。

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そしてもう一つ驚いたのは、著者は自らのマタハラ体験を契機に「マタハラNet~マタニティハラスメント対策ネットワーク~」を2014年7月に立ち上げると、その8か月後、アメリカ国務省から「世界の勇気ある女性賞」を受賞した、とのこと。

日本において“マタハラ問題”という国民的な議論を巻き起こしたことが受賞の理由なんだそうです。

 

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