『在日朝鮮人』(水野直樹・文京洙[むんぎょんす]著、岩波新書)を読みました。
これも1年前、なにかをきっかけに読もうとして購入したはずですが、「積ん読」となってしまっていました。
「在日」という言葉の意味を実質的に知りたかったことと、本書カバー袖にある「2015年は、70年という節目の年になるが、日本と南北朝鮮との間には今なお問題が山積している」にひかれたと記憶しています。
本書のなかにも「4000人近くの朝鮮人が働いた常磐炭鉱」の話も出てきますが、私自身はほとんど知らない世界です。
ともかく本書では、「韓国併合前後から、植民地期の在日朝鮮人世界の形成を経て、戦時期の試練へと至る時期」(第1・2章)、そして「朝鮮解放から、高度成長期以後の在日朝鮮人の世代交代や多様化を経て、『グローバリゼーションの時代』へと至る時期」(第3・4・終章)の構成で、在日朝鮮人をめぐる諸問題への理解を深めるよう、まとめられています。
「多民族化する日本社会」(p.208~)にあって、在日朝鮮人のあり方の可能性について、私の理解が深まったかはまた別問題…