『現代史の中の安倍政権』(渡辺治著、かもがわ出版)を読みました。
安倍政権が不退転の決意で出してきた戦争法案に対する未曽有の反対運動のなか、昨年(2015年)9月19日、法案の採決は強行されました。
そして今、この戦争法を廃止させる運動として、法案反対運動は、発展しようとしています。
法案反対運動は、2014年12月15日に「戦争させない・9条壊すな総がかり実行委員会」という、かつてない壮大な共同の組織と、政党間の共闘の経験をつくりあげました。全国各地にも多様な共闘組織がつくられました。
【参院本会議採決強行(2015年9月19日)前日には4万人が国会包囲。14日4万5千人、16日3万5千人】
また、運動に参加した各団体や九条の会がこうしたとりくみにあらためて確信をもつとともに、SEALDsやママの会、学者の会など新たな階層の運動が定着しました。
さらに、これらの運動を通じ、「戦争する国づくり」をストップさせるには、政治を変える、戦争法を廃止するにはその意志を持つ勢力を議会で多数派にすることをおいてほかにないことをも自覚させました。
【「国会前10万人、全国100万人大行動」(2015年8月30日)では国会を12万人が包囲、全国では1000か所以上でとりくまれた】
戦争法をめぐり、第一幕でのこれら教訓をつかみ取って、その推進と反対の攻防の第二幕に立ち向かう時です。
本書は、第二次安倍政権が集団的自衛権行使容認の閣議決定を強行した2014年7月1日直後から、戦争法を強行するに至った2015年9月19日直後までの1年数か月間に書いた論文のうちの5本に加筆したものです。
著者は、戦争法案が国会に出た昨年(2015年)5月以降、11月までの半年余りの講演だけでも70回を超えたそうです。まさに安倍政権の戦争法との対決の同時進行の産物といえます。
アメリカ、保守支配層の積年の課題を自覚的に取り上げようとするこの安倍政権の野望を打ち砕き、立憲主義、民主主義、平和主義をとりもどすため、力をつくしましょう!