この時期、毎年のことと思いますが、税理士で元静岡大学教授の湖東京至さんが、「全国商工新聞」紙上で輸出大企業の還付金を試算してくれています。
各社は還付金額をいっさい公表していないので、有価証券報告書によるあくまでも湖東さんの試算です。
消費税率が8%に増税されたことにより、還付金はどこも大幅に増えています。
たとえばトヨタ自動車は、5%時の前年の年間還付金額が1,402億円だったのに対し、今年は1,192億円増え、2,594億円が還付されています。
上位10社を見ると、前年が4,428億円だったのに対し、8%になってからは1.8倍の7,837億円。
そのからくりはこういうわけです。消費税は、そもそも事業者が、「年間売上額に8%をかけた金額」から「年間仕入額などに8%をかけた金額」を差し引いた額を納めるしくみ(仕入税額控除方式)です。
大企業は、下請け単価をいくらでもたたきますが、ともかく事実上、消費税を下請けに払っていなくても、払ったものとして仕入税額控除を受けます。一方、輸出売上には消費税率はかけらけれない、としてゼロ税率で、仕入れに含まれているとみなされる消費税分をそっくり還付してもらうわけです。
どうみても、下請けが苦労しておさめた税金を、最終輸出者が自分でおさめたものとしていただいているのです。「還付」というのは、自分が納めた税金が多すぎたときに返してもらうことですが、消費税にかかわる輸出還付金はまったく違います。
税率が10%になれば、この還付金がまた増えることになります。
消費税が、庶民の暮らしなどに目を向けず、大企業が肥え太ることだけを進める政治の象徴であることがいよいよ鮮明です。
と、病室からずっと離れた場所から、宣伝カーの声。
いわぶち友・参院比例予定候補がいわき入りしていました。