『タカ派改憲論者はなぜ自説を変えたのか』(小林節[せつ]著、皓星社)を読みました。
「護憲的改憲論という立場」は副題です。
1992年3月に『憲法守って国滅ぶ』(ベストセラーズ)という挑発的タイトルの本を書いた時期に、一水会現代講座で同じタイトルで話した記録から、昨年2014年に「対米従属を強める解釈改憲 立憲主義に無知な安倍総理」のタイトルで書いた論説まで23編が収録されています。
著者は本書について、「現実に権力者の傲慢に日常的に接し続ける中で、自分が変化していることが自覚でき、同時に、日本国憲法の真価を強く意識するようになりました」と言い、「私の『成長』の跡をたどった」と位置づけています。
「解説」を書いている、著者の「弟子」の野口健格[たけのり]氏は、著者の「『護憲的改憲論者』としての立場は一貫している」と言い、「著者が、昨今の憲法状況(政府解釈による集団的自衛権の行使容認)に対し警鐘を鳴らしている理由は、権力者からの『憲法秩序』への攻撃を認識したからに他ならない」としています。
ともかく私は、国家の最高法規について、政治にかかわる人が、「私の信ずること以外の意見は聞く気がない」みたいな姿勢や、学ぶ姿勢に欠けることがもっとも危険だと思うに至っています。