『〈大国〉への執念 安倍政権と日本の危機』(渡辺治・岡田知弘・後藤道夫・二宮厚美著、大月書店)を読みました。
安倍政権は、グローバル競争国家をめざすと同時に復古的国家主義の2本のレール上を暴走しています。
この2本のレールの間にジレンマがあるために、この政権は脱線するように自壊の道を突き進みます。
この特殊な右派思想をもつ安倍政権が、靖国参拝などで中国との関係を悪化させ、オバマ政権を嘆かせ、閣僚も右派思想の「お友だち」を集めたに過ぎないのに、なぜこれほど多領域で同時に、速いスピードで現状を変える作業がリードできるのか。
なぜこれだけ反対の声が強いのに集団的自衛権行使容認を強行するのか。
規制撤廃・小さな政府と、産業競争力強化のための国家介入がなぜ両立するのか。
なぜ原発再稼働にこだわるのか。
こうした疑問を解きほぐし、新しい平和と福祉国家を展望し、国民的規模で憲法九条の生きるアジアと日本の構想をさし示してくれます。
きょうは雑誌『世界』9・10月号に掲載された小田切徳美「『農村たたみ』に抗する田園回帰」、坂本誠「『人口減少社会』の罠」、岡田知弘「さらなる『選択と集中』は地方都市の衰退を加速させる」、金子勝「『地方創生』という名の『地方切り捨て』」の各論文からも学びました。
いずれも、今年5月に増田寛也元総務大臣が座長をつとめる日本創生会議が発表した「ストップ少子化・地方元気戦略」(増田レポート)批判です。